経営随想
秋田在住の四半世紀
ミネソタ州セントポール市
私は1968(昭和43)年、米国中北部に位置するミネソタ州の州都セントポール市で生まれました。カナダとの国境に接するミネソタ州は、米国50州の中で陸地面積は第12位、人口では第21位の規模です。同州の中枢は、政治・文化の中心であるセントポール市(人口約30万人)と経済・商業の中心であるミネアポリス市(同約40万人)からなっていて、両市はミシシッピ川を挟んで向かい合い、合わせて「ツイン・シティ(双子の都市)」と呼ばれています。
地元の高校からミネソタ州立大学マンケート校に進み、1991(平成3)年4月、当時のミネソタ州立大学機構秋田校の第二期留学生として、ミネソタや近隣州の学生仲間約50人とともに初めて秋田の地を踏んでから、早いもので今年で25年になります。
ミネソタ州立大学機構秋田校は皆さんご存知のとおり、1990(平成2)年、旧雄和町(現秋田市)に開校しました。2003(平成15)年に閉校するまでの13年間、県内唯一のグローバルな高等教育の拠点として、またミネソタ州との友好交流の拠点として大きな役割を担いました。現在は、2004(平成16)年4月に同校の旧校舎を一部活用し開学した公立大学法人国際教養大学が少なからずその伝統を今に受け継いでいます。
秋田との不思議なご縁
私の父親が若かりし頃の1958(昭和33)年、世界一周のバイク旅行で日本に立ち寄り、横浜から稚内、京都、宮崎などを回った際に、当地秋田を通りました。その時、丁度25歳の誕生日を迎えたそうです。時代は巡り、私も奇しくも同じ25歳の誕生日を当地秋田で迎えることになりました。その当時は、何やら不思議なご縁を感じたものでした。
私もエンジンで動くものならバイクから自動車、農業機械に至るまで何でも大好きです。これもスキー好き同様、父親譲りのようです。
初めての秋田の印象
初めて秋田にきたときは、羽田経由で大学にきました。空港や大学、寮、そしてスカイドームなど、見るものすべてが新しく、輝いて見えるなか、自然が豊かで緑がいっそう濃く感じられたものでした。また、老若男女、会う人すべてがわれわれ留学生にとても優しく接してくださったのを、今でも大変感謝しております。
その当時は、秋田で結婚し25年も滞在することになろうとは夢にも思いませんでした。将来は確かな日本語を身に着け、MBAを取得し、ミネソタ州と秋田、日本の間を仲介する国際ビジネスに関わりたいと思っておりました。
当地で創業
1992(平成4)年3月にマスコミと英語を専攻したミネソタ州立大学マンケート校を卒業後、横手市の学習塾に英語講師として採用され、2年間英語を教えました。
その後、1994年4月、知人のお力添えで、秋田市内でブライアンズ・イングリッシュ・スクールを開校しました。同スクールは当初、私一人で始めましたが、幸い好評を博したことから、新たにスタッフを採用し、徐々にそのスタッフの数を増やしていきました。
1999(平成11)年1月、新たにコンサルティング部門も設け、当社アルストロムアンドアソシエイツ有限会社を設立。2007(平成19)年には、現在地の山王5丁目に移転し、「英会話のBES」としてリニューアルいたしました。
「英会話のBES」の基本方針
私どもの「BES」を大きく分けると、幼児・小学生を対象としたキッズクラスと、主に社会人を対象とした一般クラスの2つからなります。
当スクールのモットーは、 “Speak first think later”「考える前に、話してみよう」です。私たちBESは、日本語を介さず、英語のみを使ってコミュニケートする方法を学んでいくことこそが、英語力を高める一番の近道だと考え、実践しています。「正しい英語についてあれこれ思案するよりも、まず自分の気持ちを英語で伝えること」に集中してほしいと思っています。
英語を話せるようになるということは、楽器を練習するようなものです。最初はたくさんのミスをするかもしれません。しかし練習を繰り返せば、ミスは少なくなり、音色は美しく響き渡るようになります。
流暢に話すということは必ずしも文法的に正確に話すということではありません。流暢な会話は、英語に対する自信、理解、そしてコミュニケーションの能力によって生まれます。文法はその後についてくるものです。
文法的に正しくても、考え過ぎるあまり会話が弾まないのでは意味がありません。むしろ、多少の文法的な間違いがあっても、途切れず自然に会話が続けられるということが大切だと考えます。
もちろん、コミュニケーションの能力に自信のある中級以上の方向けに、英語の正しい形にフォーカスする段階のクラスや、ディスカッションのクラスもあります。
これまでの経営の歩み
創業して22年、会社を設立して17年が過ぎました。英会話スクール、英語コンサルティングとして今日までやってきましたが、この間、いろいろな変遷がありました。
会社を設立して間もない1999(平成11)年2月に、翌々年に控えた、秋田ワールドゲームズ2001大会に向けた「少年語学ボランティア育成事業」を受託したのが、当社が大きく飛躍する切っ掛けになったように思います。これを機に、当時の岩城町(現由利本荘市)から英語プログラムの開発・施行及び英語講師派遣事業を受託し、その後、雄和町(現秋田市)や矢島町(現由利本荘市)、大潟村などから相次いで同事業を受託する一方、秋田市周辺の幼稚園などにも英語講師を派遣するなど事業を拡大していきました。
このように、事業が受託市町村の増加などにより順調に進むかと思えた2005(平成15)年、突然のように逆風が吹き込みます。世に言う「平成の大合併」です。それまで、受託契約元だった旧町村が、この合併を境に委託予算が付かず事業を続けることが困難になるケースが多くみられるようになったのです。
幸いにして、英語学習ブームの再来などもあってスクールは盛況を取り戻し、事業を再び軌道に乗せることができるようになりました。
今後の事業展開
当社はこれまで英会話スクールや英語プログラム開発・英語講師派遣などの仕事を通じて、県内の英語教育の一端を担ってまいりました。
今後は、県内企業の海外事業展開のお手伝いなどのコンサルティング業務にも力を入れていきたいと考えております。
また一方で、秋田県全ての小学生の英語力向上のために、これまで積み上げてきた英語教育に関する経験とノウハウを、秋田の皆様と広く共有する方法がないか、模索しているところでもあります。
やりたいことはまだまだ沢山ありますが、私自身がBESや講師派遣で現場に出ていて多忙なため、こうしたことに十分な時間を割けないでいるのが目下の悩みです。
これからも、数々頂きました御恩を忘れず、恩返しの意味を込めて米日(秋)親善に尽くし、23年目の社業の発展に一層努めてまいります。
(会 社 概 要)
1 会 社 名 | アルストロムアンドアソシエイツ有限会社 |
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2 代表者名 | 代表取締役 ブライアン・アルストロム |
3 所 在 地 | 〒010-0951 秋田市山王五丁目14番1号 山王サントノーレプラザビル2F |
4 電話番号 | 018-823-3545 |
5 FAX番号 | 018-866-2170 |
6 U R L | https://www.3a-inc.com |
7 設立年月 | 1999年1月(創業1994年4月) |
8 資 本 金 | 300万円 |
9 従業員(スタッフ)数 | 7名 |
10 事業内容 | ○英会話部門:英会話のBES (ブライアンズ・イングリッシュ・スクール) 英会話スクール/幼児・小学生・中高生・社会人 〇コンサルティング部門:ECA (イングリッシュ・コンサルティング・エージェンシー) 教育プログラム開発・講師派遣/保育園・幼稚園・小中学校・企業等公共サービス及びビジネスサポート |