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経営随想

観光振興への主な取り組みについて

三浦 廣巳
(公益財団法人 秋田観光コンベンション協会 理事長)
 当協会は、秋田県、秋田市、秋田商工会議所、地元大学を中心とする産学官協力のもと、各種コンベンション(学会や大会)を秋田市へ誘致するとともに、秋田市で開催されるコンベンション主催者がスムーズな運営を行えるよう支援するための公的機関として、平成元年6月に「コンベンションビューロー秋田」の名称で設立されました。平成5年、財団法人の認可を受け、平成9年には秋田市観光協会と組織合併し、名称を秋田観光コンベンション協会に改め、平成25年4月には公益法人に移行し、コンベンション振興と観光振興の両面で公益事業を展開しております。

<コンベンション誘致への取り組みと経済波及効果>
 各種コンベンションが開催されることで、参加者による宿泊、食事、交通、買い物などの消費や、主催団体による会場設営、広告、各種印刷物、物品等レンタル、人材派遣などの支出により、開催地には多くの経済波及効果がもたらされます。そのため、当協会では、1件でも多くのコンベンションを誘致するため、様々な誘致への取り組みを行っております。
 コンベンション誘致成功のためには、地元協会事務局およびキーパーソンの開催意思表示が大きな要素となることから、当協会が独自入手した開催情報を元に、地元大学や各種団体の事務局を随時訪問し、秋田開催を呼びかけているほか、主に首都圏に所在する学会や団体の本部事務局を年間80~90件訪問し、セールス活動を行っております。また、全国規模のコンベンションは、全国を7ブロック(北海道、東北、関東、中部、近畿、中四国、九州)に分けて持ち回り開催することが多い傾向にあり、旭川市、秋田市、前橋市、岐阜市、姫路市、松山市、鹿児島市のコンベンション推進団体と協議会を組み、各地で開催されたコンベンション主催者をお互いに直接紹介し合う7都市情報交換会などを行っております。

 これらの取り組みによる成果を数値化するため、当協会では、経済波及効果を測定しております。平成28年度、秋田市において東北規模以上のコンベンションは88件開催され、そのうち、当協会が誘致、支援したコンベンションのうち13件に行ったアンケートを元に、秋田経済研究所が測定したところ、1年間で約13億円の経済波及効果、雇用創出数131人、約8千万円の税収効果がありました。

●経済波及効果

(単位:円、人)
  生産誘発額   雇用創出数
うち粗付加価値誘発額  
うち雇用者所得誘発額
直接効果 844,684,229 435,877,188 230,166,578 98
一次波及効果 315,609,353 177,380,600 81,197,860 22
二次波及効果 165,287,440 105,384,859 39,344,782 11
総合効果 1,325,581,022 718,642,647 350,709,219 131
波及効果倍率 1.57      

●産業別による経済波及効果

(単位:円)
  生産誘発額  
うち粗付加価値誘発額  
うち雇用者所得誘発額
飲食料品 62,939,332 17,746,689 8,588,512
商業 90,613,618 61,702,256 30,967,385
運輸 87,512,302 37,659,431 23,964,369
対事業所サービス 184,459,135 104,802,487 56,287,521
対個人サービス 521,082,049 302,179,649 158,613,207
その他の産業 378,974,585 194,552,135 72,288,225
合計 1,325,581,022 718,642,647 350,709,219

●産業別による経済波及効果

(単位:円)
  税収効果  
国税 県税 市町村税  
うち秋田市
直接税(個人) 37,095,455 13,532,957 7,933,121 15,629,377 6,024,607
直接税(法人) 15,781,313 3,896,866 4,634,293 7,250,154 3,004,845
間接税 27,247,912 17,689,010 7,862,173 1,696,729 495,642
合計 80,124,680 35,118,832 20,429,587 24,576,261 9,525,094

※経済波及効果測定:一般財団法人秋田経済研究所による

<コンベンション支援体制>

 秋田市内で開催するコンベンションには、次のような様々な支援を行っております。

対 象
・国際大会100名以上
・全国大会500名以上
・東北大会800名以上
・1,000名以上のスポーツ大会(プロスポーツ除く)
●歓迎ポスターの製作・配付
 大会名の入った歓迎ポスターを作成し、市内のホテルや飲食店、お土産店などに配付します。
●伝統芸能出演料助成
 伝統芸能の出演料1/2かつ上限50,000円を助成します。
●あきた観光レディーの無料派遣
 あきた観光レディー2名を無料派遣(4時間以内)します。
●あきたコンベンション応援団の派遣
 会場案内や運営サポートの人材としてボランティアスタッフを延べ10名まで無料派遣いたします。

対 象
・東北規模以上で県外参加者が100名以上
・県外参加者一人につき1,000円を事務局へ助成
●コンベンション開催支援助成金
 コンベンション主催者に対し、開催費用の一部を助成します。
※2年以上前の申請で最大300,000円が加算される場合があります。
 皆様の関係する団体などでコンベンション開催地として立候補のチャンスがございましたら、当協会が全力でサポートさせていただきますので、ぜひご一報下さい。

<これが秋田だ!食と芸能大祭典2017>

 観光事業として、様々な誘客事業やおもてなし事業を実施しておりますが、当協会が今最も力を注いでいる事業が「これが秋田だ!食と芸能大祭典(略してコレアキ!)」です。このイベントは、平成27年度に秋田市で開催された東北六魂祭の盛り上がりを継続させるため、県内の豊かな伝統芸能と食文化、プロスポーツを融合させた新しいイベントとして、秋田市中心市街地の活性化、県内周遊観光の増進を目的に昨年初めて開催しました。
 2年目となる今年は、昨年の12月にユネスコ無形文化遺産に本県から登録された鹿角市の「花輪祭の屋台行事」、仙北市の「角館祭りのやま行事」、秋田市の「土崎神明社祭の曳山行事」が勢揃いしてパレードを行うほか、北秋田市から「綴子大太鼓」が初めて参加しパレードを盛り上げます。また、新たな取り組みとして、このパレード会場となる広小路を、交通規制時間を活用して歩行者天国にいたします。
 その他、アゴラ広場では、県内のおいしいものを集めた「うまいもの広場」、仲小路でのクラフト市&ストリートパフォーマンス、なかいち三角広場での25市町村観光・物産PRやプロスポーツPRブースも開催いたします。
 現在、県外からの誘客に注力し、東北六県を始め様々な県外PRイベント等で本イベントをPRしております。来場者の皆様に「来て良かった」と思わせるような、万全な体制で皆様をお出迎えいたしますので、ぜひ会場に足をお運び下さるようお願い申しあげます。

【これが秋田だ!食と芸能大祭典2017】
〇日時:平成29年5月26日(金)17:00~21:00
 平成29年5月27日(土)10:00~20:00
 平成29年5月28日(日)10:00~17:00
〇会場:なかいち、広小路、アゴラ広場、仲小路
〇主催:これが秋田だ!食と芸能大祭典実行委員会(秋田観光コンベンション協会内)  
〇TEL:018-824-1211

<結びに>

 当協会は多くの方を県外から呼び込み、地元経済の活性化を目指し、今回紹介した事業以外にも、様々な公益事業を展開しております。当協会の趣旨にご賛同いただける企業の皆様や各種団体の皆様からのご入会を心よりお待ちしております。

 賛助会費:1口30,000円(月2,500円)

(公益財団法人 概要)

1 財団名 公益財団法人秋田観光コンベンション協会
2 代表者名 理事長 三 浦 廣 巳
3 所在地 〒010-0921 秋田市大町二丁目2番12号イーホテル秋田1階
4 TEL 018-824-1211
5 FAX 018-824-0400
6 URL https://www.acvb.or.jp/
7 設立年月 平成元年6月(平成25年4月公益財団法人)
8 職員数 13名
9 事業内容 観光とコンベンションの振興
あきた経済

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