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県内経済(4~5月)

概況県内経済は、東日本大震災による影響が残る中、一部では明るい動きがみられるが、総じて停滞色を強めている

 電子部品、機械金属、建設など県内の主要産業は前年同月を下回ったほか、雇用情勢も、厳しさを増している。一方、木材では復興に向けた増産の動きが続いている。個人消費は、物流の混乱や消費マインドの低下から低調に推移している。県内経済は、震災の影響が残る中、一部では明るい動きがみられるが、総じて停滞色を強めている。産業の動向では、電子部品の生産額は4か月連続で減少したが、減少幅はやや縮小し足許底打ちの兆し。機械金属の生産額は完成車メーカーの生産停止による輸送機械の落ち込みが大きく、2か月連続で前年を下回った。製材は仮設住宅関連の需要を受け、低水準ながらも堅調に推移。合板は増産体制が続く。清酒出荷量は5か月連続で前年比減少。建設受注額は官公庁工事、民間工事ともに大幅に減少し、2か月連続で前年を下回った。住宅着工も2か月連続で前年を下回り、弱い動き。個人消費は、大型小売店販売額が衣料品販売の落ち込みが大きく、2か月ぶりに前年を下回ったほか、新車販売台数も8か月連続で前年を大幅に下回った。
 新規求人数は前年比6.1%増と、15か月連続で増加した。有効求人倍率は前月比0.02ポイント低下し0.48倍となった。事業主都合離職者数は2か月連続で前年を上回った。
 企業倒産は、件数9件、負債総額は34億3,500万円となり、16か月ぶりに30億円を超えた。

電子部品足許、底打ちの兆し

 4月の生産額は前年比19.4%減と4か月連続で減少した。ただ、減少幅はなお大きいが、前月に比べやや縮小した。大震災の影響が尾を引き、部材の調達や電力供給の制約、納入先の生産停止・減産などを受けて、引き続き調査事業先全てで減産を余儀なくされたものの、前月対比でみれば何れの先も増加に転じるなど、足許底打ちの兆しがみられる。
 主力のセラミック・コンデンサや、半導体では大震災以降の工場の稼働制約が幾分緩和され、生産水準をやや引き上げつつあるほか、液晶画面でも部材等の調達に一応の目処がついたことなどから持ち直しの動きがみられ始めている。

機械金属2か月連続で前年を下回る

 4月の生産額は前年比7.4%減(※)と2か月連続で前年を下回った。公共工事関連の一部が増加に転じたほか、民需関連も一部製品で増加傾向が続いたものの、輸送機械で完成車メーカーの生産停止により大幅な減産となったことが響いた。
 民需関連では、金型や建機部品で増加が続いているが、輸送機械は大震災の影響により前月に引き続き大幅な生産調整を迫られた。一方、公共工事関連では、水道部品が一部震災の復興需要などもあり増加に転じた。
※生産額は22年4月以降、調査先に会計基準を見直した先があり、大幅な増加となっている。そのため、22年度内の前年比は当該調査先を除いて算出。

木材業合板の生産、フル操業

 製材品は、4月の生産量は23千立方メートルで、前年比21.1%の増加となった。仮設住宅関連を含めた住宅向け需要の持ち直しにより、生産・出荷とも低水準ながら堅調な動きが続いた。
 普通合板は、3月の生産量は52,502立方メートルで、前年比2.7%の増加となった。出荷は、震災発生やその後の物流の混乱などから急激に落ち込んだが、全国の住宅着工の回復傾向のほか、被災による品不足や復興需要により、生産は底堅さを増した。なお、県内メーカーではフル操業体制での増産が続いている。
 製材の輸入額(4月)は、1,426百万円(前年比26.6%増)と、15か月連続で前年比増加となった (秋田船川税関支署調べ)。

酒造業出荷量、5か月連続で前年比減少

 4月の清酒出荷量は、県外向けは前年同月比3.3%増と前年を上回ったが、県内が同14.0%減で昨年10月以来6か月ぶりの二桁減と、大きく落ち込んだ。このため、全体では同3.5%の減少と、5か月連続で前年を下回っている。
 平成22年度新酒鑑評会では、本県から出品された清酒31点のうち、21点が入賞した。このうち金賞受賞酒数は11点で、全国では、新潟(23点)、福島、兵庫(ともに19点)、山形(18点)、宮城(17点)、長野(12点)に次いで7位となり、東北では4番目となった。なお、昨年と比べて、金賞獲得数は6点減少し、全国順位も3位から順位を落とした。

県内向け出荷量 739kl
県外向け出荷量 1,361kl
合計出荷量前年比 -3.5%

建設業地元大手、官公庁工事・民間工事ともに大幅な前年割れ

 4月の公共工事請負金額は国、県、市町村等、ほとんどの発注者で減少したことから、前年同月比41.6%減の150億円と3か月ぶりに減少した。
 なお、平成23年度の県工事は、当初予算額が662億円、前年度比10.4%の減少と、2年ぶりに前年を下回っている。
 当研究所調査による地元大手12社の新規受注実績は、官公庁工事が4か月ぶりに前年割れしたほか、民間工事も6か月連続で減少し、前年同月比52.1%減と2か月連続の減少となった。1~4月累計では、官公庁工事は増加したものの、民間工事減少の影響が大きく、前年比7.2%減となっている。

金融負債総額、16か月ぶり30億円超え

 4月末の県内銀行の預金は、前月末比377億円増加した。前年同月比では3.5%増加し、前年を上回る水準で推移している。貸出金は、前月末比235億円増加した。前年同月比では2.0%増加し、4か月連続で前年を上回った。震災後の緊急融資や一部企業の運転資金確保の動きが反映され、預金、貸出金ともに高い伸び率となっている。
 4月の倒産件数(負債総額1千万円以上)は9件であった。負債総額は、前年同月比20倍を超える34億3,500万円となり、16か月ぶりに30億円を超えた。震災関連の倒産も発生しており、企業倒産の増加が懸念される。

住宅着工2か月連続前年割れ

 4月の県内新設住宅着工戸数は、287戸(前年比22戸減、7.1%減)と2か月連続で前年を下回った。主力の持家が2か月連続で減少したほか、全体戸数も再び300戸台を下回るなど、弱い動きとなっている。
 利用関係別では、持家が220戸(前年比14戸減)、貸家が47戸(同10戸増)、分譲住宅が19戸(同1戸増)、給与住宅が1戸(同19戸減)となっている。
 持家は、震災の影響で断熱材など一部住宅資材の不足が続いており、新築着工に遅れがみられる。貸家は、供給過剰を背景に一般賃貸物件は着工抑制の傾向にあるため、依然低い水準で推移している。
 なお、県建築住宅課は5月10日、3月の新設住宅着工数について、「277戸(前年比46戸減、14.2%減)」を「308戸(前年比15戸減、4.6%減)」と訂正、発表した。

商況低調に推移

 商況は家電販売が概ね前年並みとなったものの、大型小売店販売額が2か月ぶりに前年割れとなり、新車販売も8か月連続で前年を大幅に下回るなど、低調に推移した。
 3月の大型小売店販売額は、衣料品が消費者の買い控えなどから大幅に落ち込み、主力の飲食料品も物流の混乱および工場等の被災の影響により前年割れとなり、総体では前年比12.0%減となった。
 4月の新車総販売台数(軽自動車を含む)は、新車登録台数が前年比41.4%減、軽自動車が同45.5%減といずれも前年を大幅に下回り、総体では同43.5%減の大幅減となった。震災で、製品調達が困難になったほか、消費者の購買意欲の低下も影響した。
 東日本大震災から3か月。本県では物流の回復に伴い商品の品薄感がほぼ解消されたほか、震災後の自粛ムードも徐々に薄らぎ、小売店や繁華街に客足が戻りつつあるなど、消費者の購買意欲も復調に向かいつつある。

雇用有効求人倍率、1年6か月ぶりに低下

 4月の新規求人数は、前年同月比6.1%増と、15か月連続で増加した。
 業種別にみると、製造業では、繊維で増加に転じたが、その他の業種では、震災の影響による操業停止などが影響して前年比減少となり、製造業総体で前年同月比9.3%の減少となった。
 非製造業では、観光バス需要の低迷や物流の混乱により運輸,郵便で二桁の減少となったほか、サービス、情報通信でも二桁の減少となった。また、観光客の減少や消費の落ち込みなどから卸売,小売、宿泊,飲食サービスでも減少した。一方、医療,福祉で二桁の増加となったほか、被災地のがれき撤去作業や分別作業の募集が多くあった建設で大幅に増加して、非製造業総体では前年同月比7.9%の増加となった。
 有効求人倍率は一般が0.34倍、パートタイムは0.63倍となった。季節調整値は0.48倍(前月比0.02ポイント低下)で、1年6か月ぶりの低下となった(全国平均0.61倍)。都道府県別では、福井(1.04倍)が最も高く、沖縄(0.29倍)が最も低かった。本県は、沖縄、青森(0.39倍)、岩手(0.41倍)、宮城(0.44倍)、北海道(0.46倍)、神奈川(0.47倍)に次いで、全国で7番目に低い倍率となった。
 事業主都合離職者数は1,478人。前年同月比5.8%増と、2か月連続で前年を上回った。
 地域別雇用状況をハローワーク管内別にみると、新規求人数は、県北、県南で減少したが、県央で二桁の増加となった。有効求人倍率は、県央で0.44倍と最も高く、県北が0.42倍、県南で0.36倍となった。
 震災の影響による本県の雇用の落ち込みは小幅なものにとどまったが、部品調達難や消費の落ち込みなどから、事業を縮小せざるをえない事業所も多く、労働者の解雇や新規採用抑制の動きが全国に広がっている。夏には、電力不足が懸念されており、製造業を中心に、雇用情勢は更に厳しさを増すことが予想される。

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