経営随想
為せば成る やれば必ず出来る
“We can do it”
(秋田ルビコン株式会社取締役専務執行役員)
当社は昭和59年2月、秋田県の誘致企業として旧東由利町に、長野県伊那市に本社があります信英通信工業(株)の関連会社、秋田信英(株)として設立いたしました。
ルビコングループの創立者である登内英夫会長の話によりますと、旧東由利町町長の畠山亮二郎氏が選挙公約の中に農工一体を掲げ、出稼解消に努めるとの公約を果たすため誘致企業を模索していた時に、長野県の企業が秋田県に進出するとの情報を得て、会長宅に朝早く駆け付け頭から湯気を上げてお願いされたとの事です。
こんなに朝早くから駆け付けて来られる行動に感服し、既に心の中に決めた場所があったのですが、強い熱意に負けて旧東由利町に造る事を考え、最初に西山工業団地を紹介されたのですが、規模が小さく今後の方針にそぐわないとお断りした時に、新たに玉米中学校跡地を紹介され建設する方向に進みました。しかしこの地は豪雪地帯で、電力・水道・道路の除雪等のインフラに一抹の不安があり再考している時に、町長さんが何としてもこの地に工場建設願いたいと熱い思いを再三示され、一切心配をかけないとの約束をしてくれたので現地に工場を建設する運びとなったとの事です。
平成2年、商標であるルビコンに本社が社名変更し同時に秋田ルビコン(株)となりました。設立以来、地域の皆さんに大変お世話になり景気変動の波を乗り越えて成長し続け28年を迎えました。
私が着任した時から、登内会長より何百回となく言われ指導された三つの言葉があります。
『為せば成る、やれば必ず出来る』
会社の中ではこんな難しい事はすぐ出来るわけがない。どう考えても物理的に無理だ、出来ない・・・。出来ないの言葉が先にあり難題にチャレンジしようという気持ちがあまりありませんでした。
私は大きな決断をし、会社から『出来ない』の言葉を無くす決意を全社員に訴えました。どんな難題でも『必ず出来る』からスタートしよう、皆で考え知恵を出し合い努力すれば仕事も楽しく面白く達成の道が拓け大きな感激となる。その結果、機械設備の改善に於いて大きな成果を上げ会社の利益に貢献しました。また、3月11日の東日本大震災の翌日、交通機関がストップしてしまい、工場監査で来社されていたお客様が帰る事が出来なくなり、本来ならば乗用車でお送りしなければいけなかったのですがガソリン調達の関係で、失礼ながら社有車の日産ADバン車で当社ナンバーワン安全運転手が福島県二本松市の御自宅までお送りすることにしました。道路はどうなのか不安がありましたが確かな情報をとり13号線で行くことにしました。帰りの燃料が調達できるか、心配な面があり急遽当社の大型除雪車より軽油を抜き取り携行缶に入れ6時間かけて無事到着する事が出来、大変感謝されました。帰社したのは翌朝3時とか・・・。この様な美談も『やれば出来る』からスタートした事です。
『すぐやる(スピード)』
明日はないと思え、直ちに行動せよ
指示された事、注意された事、良いと思った事は即行動せよ。悪いと思った事は即やめよ。この事を私は役職者にしつこく指導しており、社内改善活動のスピードアップとなっています。
『継続は力なり』
色々と決めた事を中断すると百歩後退となってしまう。一度こうだと決めた事は継続し続けなければならないが、この事がなかなか出来ない。私は継続させるために心を込めてしつこく確認することを実行しています。
~夢叶う~
超スピードでの大仙工場の建設(旧協和町)
(6月下旬決定、12月稼働開始)
昨年の6月頃は、電子部品業界の受注が大変好調で特に薄型テレビの増産によりルビコンが一番得意とするペンシル形(細くて長い)コンデンサの受注が多くインドネシアのバタム工場で生産する事が本社で検討されていました。お客様の要求を満足させる為には、早く工場を立ち上げる必要があると考え、秋田銀行よりの情報から、秋田県内には海外へ生産が移されたため沢山の空き工場があると良く聞いていました。
世界市場でトップシェアを保つためには、空工場を利用しいち早く増産する事でお客様にご迷惑をおかけせず、また、秋田の地で生産しても必ずコスト対応出来る自信もあって、それが牽いてはルビコングループのためにも、秋田県発展のためにも、日本の製造業を守るためにもなると考え、直ぐに秋田県内の空工場を利用する事をルビコン(株)登内会長宅に、夜遅く電話をして私の考えを提案しました。「良い提案だ、すぐ空工場を探せ」と指示があり、活動を開始し7社の空工場を見て回りました。このうち大仙市にある由利工業(株)グループのAPI(株)さんを登内会長が訪問したとき、工場の美しさに感心され温かい配慮もしていただき譲り受ける事となりました。その後、秋田県・大仙市・秋田銀行の御支援により約21億円の初期投資を決定し、11月改修工事終了、12月機械搬入・稼働開始と、超スピードの工場立上でお得意先各社の要求を満足させる事が出来ました。“為せば成る、やれば必ず出来る”を実行致しました。
最後に、3月11日千年に一度といわれる東日本大震災があり、被災地におかれましては大変厳しい状況の中、御不便な生活を余儀なくされている事とお察しします。一日も早い復興を願う毎日です。こうしたなかにあって、当社のやるべき事は被災地の皆さんに元気を送り、“東北ガンバレ・日本ガンバレ”を支える事が責務であり使命と考え行動しています。
会 社 概 要
1 社 名 | 秋田ルビコン株式会社 |
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2 代表者名 | 代表取締役社長 登内英夫 |
3 所在地 | 〒015-0221 由利本荘市東由利舘合字上の代1-1 |
4 電話番号 | 0184-69-3131(代) |
5 FAX番号 | 0184-69-2423 |
6 設立年月 | 昭和59年2月 |
7 資本金 | 1億円 |
8 年 商 | 100億円 |
9 従業員数 | 313名 |
10 事業内容 | 電気機械器具製造業(アルミ電解コンデンサの製造) 世界有数のコンデンサメーカー、ルビコングループの国内製造拠点 2010年12月大仙市に大仙工場を増設 |
11 社 是 | 「すべて日本一になりましょう」 |