経営随想
大きな夢と大きな理想を目指して
(株式会社 トラフィックレンタリース 代表取締役)
「大きな夢と大きな理想を目指して大きな人になれ」
私が、社内の会議やミーティングの場でよく話している言葉です。高邁な経営理論や、政治、経済などにはあまり関心がないので、自分の為、家族の為、社会の為、大きい志を持って事に当たれの一言です。
弊社は平成7年9月、法人企業向けトラックレンタカーの貸し出しに特化する目的で営業を開始した会社です。主なお取引先は、流通、物流関連を中心とした県内外の企業で、長期貸し出しを主体に、必要な時、必要なだけご利用していだだくというかたちで貸出しています。
また、他のレンタカー会社にはないサービスを提供できないものかと考え、お客様の負担が軽くなるよう、電話で予約をいただき、必要とされる日時に合わせて、直接お客様のもとへお届けするようにいたしました。
事業開始当初は、スムーズにいかずお叱りを受けることもありましたが、今では、お客様から大変好評を得ております。弊社としましては、これからも地域のお客様にとって使い勝手の良い様々なサービスを提供し、よりご満足いただける様、社員一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
特に、弊社のモットーである“きれいな車”“きれいな車内”という“清掃”には丹念に時間をかけ、気分の良い安全安心のドライブが出来るよう心がけております。さらに、弊社100%子会社の株式会社トラフィックオートサービスにおきましても整備には万全をつくし、お客様にご満足をいただける様、協力しながら新しいかたちのレンタカートータル企業を目指しているところです。
さて、弊社の事はこれ位にして、ここからは会社経営とも絡めて、私の人生の生き甲斐と趣味について綴ることにしたいと思います。
私は、現在、息子夫婦と同居しています。結婚を機に社会的責任と経営者としての自覚、家族の協力と信頼関係が如何に会社経営にとって重大であるかを知ってもらいたいと考えてのことです。
ただ、365日一緒というのもお互い大変なので、家内と相談して、休日は出来るだけ家を空けるようにしています。そんなことで、若い時に一時夢中になりその後止めていた登山をもう一度復活しようと考え、現在、時間があれば二人で日本国中の山々を登っています。
北は北海道から、南は九州屋久島まで、車での移動。夜もろくろく寝ないで登山口に着いて1~2時間の仮眠。夜明けを待っての登山開始。忘れる事の出来ない数々の出来事。今、この原稿を書きながら昔を思い出しているところです。
登山も回を重ねるごとにマナーやルールもわかって、行き交う人との挨拶の意味、登山はどうして早朝に登るか、多くの事を教えてもらった気がします。
早朝、眠い時間の登山開始。登り始めの斜面のきつい事。夜明け頃、稜線にようやく出ての一服(煙草)。私は、酒はあまり飲みませんが、煙草は大好きなので家族中の批判を浴びています。
よく、友人たちに何がよくて山に登るのか、山菜やキノコでも採ってきたらなんぼいいかと言われ、返答に窮することがあります。何のために登るのか、永遠のテーマの様な気がします。
正直、何の為なのか、自己満足か、達成感か、人が登っているから登るのか、いろいろ議論のあるところですが、山に登ることによって様々学ぶ事がたくさんあります。
登山道沿いに咲いている淡い可憐な山野草の数々。春には残雪と峰桜の何と見事なこと。ほんとうに登ってみて初めてわかる下界の美しさ、景観のすばらしさ。木々の中にある日本庭園のような風景など様々です。今、いろいろな山を思い出しているところです。
一番つらくて楽しかった山は、北海道のトムラウシ山です。登山口からの田んぼの様な笹薮を4時間歩いた時の思い出。
そしてもう一カ所、北海道の幌尻岳(ポロジリダケ)です。額平川(ヌカヒラガワ)を4時間も腰まで水につかり歩いた時などは、仕事をしていた方が余程楽しいと思いながら登った記憶があります。山登りの苦労がわかれば、どんな仕事でも出来ると確信したのも大きな収穫です。
日本国中の大から小までの山々を思い浮かべ、日本の百名山と言われている山をどれくらい登ったか数えてみたところ、残り12カ所登れば百名山制覇出来ることがわかり、ここ2~3年で目標を立てて達成したいと思っています。
私は、昭和22年の亥年生まれで決断したらすぐ実行する、失敗しそうになったら計画を変更する、途中では絶対あきらめない性格なので一度登山の計画を立てたら雨が降ろうが、槍が降ろうが途中いかなる困難が待っていても、
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も
成らぬは人の為さぬなりけり」
という言葉を、苦しい時も辛い時も励みにし、仕事も登山も挫折しないで目標通りにやってきました。しかし、一度だけ登山を途中で断念した事があります。
それは、中央アルプスの南端にある恵那山(2191m)という山です。5月連休に家内と一緒に登り始め、4時間位登った所で、たくさんの残雪があり、まあこれ位の雪であればと登り、あと1時間も登れば頂上だと思ったところ、絶壁と見紛う様な斜面が目の前にあり、いろいろ考えていると、突然家内が止めようと言い出しました。「なに、もう1時間もすれば頂上に着く」と説得を試みましたが、この時ばかりは異常に頑固で、「下山するのも勇気のある大きな決断よ」と言われ、しばらく呆然としましたが、山の状況をみて下山することも勇気ある決断だと思い定め、心の中では悔しくて悔しくて、途中家内とは口をきかないまま下山したのでした。
今思い返すと、仕事でもこういう場面が何度もあったような気がします。決断、実行には大きな責任が伴います。思い直して下山することも、時には必要であるということを思い知らされた登山でした。
これからの山登りは無理のない楽しい、そして元気で秋田へ帰ることを考え、仕事に、登山に、ゴルフに励んでまいります。
(会社概要)
1 会社名 | 株式会社トラフィックレンタリース |
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2 代表者名 | 代表取締役 小野寺 盛 |
3 所在地 | 〒010-1504 秋田市泉字登木234番地 |
4 電話番号 | 018-865-0266(本社) |
5 Fax番号 | 018-865-0267(本社) |
6 設立年月 | 平成7年9月 |
7 資本金 | 31百万円 |
8 年商 | 1,507百万円(平成24年3月期) |
9 従業員 | 40名(平成25年5月1日現在) |
10 事業内容 | レンタカー、自動車リース、新車・中古車販売、一般貸切旅客自動車運送事業 |
11 営業所 | 盛岡、仙台、仙台北、山形福島、群馬各営業所 |
12 社是 | 「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」 |