機関誌「あきた経済」
県内経済(7月号)
県内経済は、一部に厳しさが残るが、全体として持ち直している
機械金属は、横這い圏内で足踏みしている。雇用情勢も、依然として厳しい状況が続いており、改善の動きに足踏み感がみられる。また、個人消費は、持ち直しの動きがやや弱まった。一方、電子部品に緩やかな持ち直しの動きがみられるほか、木材も持ち直しの動きを強めている。建設は公共工事、住宅着工ともに前年を上回り、増加傾向にある。
産業別の動向では、電子部品の生産額は、14か月連続で前年を下回ったが、前月対比では増加が続くなど、緩やかな持ち直しの動きがみられる。機械金属の生産額は、前月対比では概ね横這い圏内であるが、僅かながら減少するなど足踏みしている。合板の生産(4月)は2か月連続で前年を上回り、持ち直しの動きを強めている。公共工事請負額は3か月連続で前年比増加し、地元大手(12社)の建設受注額も、4か月ぶりに前年比増加となった。住宅着工は増加傾向が続いている。個人消費は、大型小売店販売額(4月)が2か月ぶりに前年割れとなったほか、新車販売台数も前年を下回るなど、全体として持ち直しの動きがやや弱まった。
新規求人数は前年比10.6%減となり、40か月ぶりに減少した。有効求人倍率は前月比0.01ポイント上昇し0.70倍となった。事業主都合離職者数は2か月連続で前年を下回った。
企業倒産件数は2件、負債総額は1億2,500万円であった。倒産件数は一桁台で推移し、小康状態が続いている。
緩やかな持ち直しの動き
5月の生産額は前年比7.2%減と14か月連続で前年実績を下回ったが、前月対比では低水準ながら3か月連続で増加するなど、緩やかな持ち直しの動きがみられる。依然、生産態勢変更に伴い減産を強いられている事業先があるものの、全体として、自動車関連向けは持ち直しの動きが続いているほか、スマートフォンやタブレット端末向けも回復基調にある。
主力のセラミック・コンデンサやインダクタが為替円安の効果もあり海外向けが堅調に推移しているほか、半導体も自動車関連向けを中心に持ち直しの動きが続いている。一方、液晶画面はこのところ二桁台の大幅な減少となっている。
前月対比、横這い圏内で足踏み
5月の生産額は前年比2.2%減と11か月連続で前年実績を下回った。前月対比では、概ね横這い圏内にあるものの、僅かながら減少するなど足踏み状態にある。
民需関連では、製鋼品は重電関連需要の拡大により大幅な増加が続いているものの、輸送機械はこのところの持ち直しの動きが一服したほか、金型でも依然として大幅な減少傾向が続いている。また、建機部品も海外向けが振るわず減少幅が拡大した。一方、公共工事関連では、橋梁・鉄鋼が震災の復興需要や公共事業の増加などから好調に推移しているほか、水道部品も再び大幅な増加に転じている。
持ち直しの動きが強まる
全国的に住宅着工の増加が続いていることを背景に、製材品、普通合板ともに持ち直しの動きが強まっている。
5月の製材品は、生産量、出荷量ともに前年比13.6%増の25千立方メートルと3か月連続で前年を上回ったほか、前月比でも4か月連続で増加した。
4月の普通合板の生産量は、前年比12.5%増の51.5千立方メートルと2か月連続で前年比増加した。在庫量は同47.9%減と4か月連続で減少し、適正水準(1か月程度)に復している。
製材の輸入額(5月)は1,373百万円(前年比40.2%増)と2か月連続で前年を上回った (秋田船川税関支署調べ)。
出荷量、6か月連続で前年比減少
5月の清酒出荷量は、県内向けが前年比1.6%減、県外向けも同1.1%減となったため、全体では同1.3%減と6か月連続で前年を下回った。県外向けの内訳では、東京が同3.0%減、東北5県は同4.1%減、北海道も同5.1%減と、いずれも前年割れとなった。
佐賀県で今年6月、酒造業の発展を図ることなどを目的に、清酒での乾杯を推進する条例が施行された。同様の条例は、京都市で今年1月に全国で初めて施行され、酒造好適米の人気品種「山田錦」の産地である兵庫県加東市など全国8市町で施行されているが、都道府県単位では初となった。
| 県内向け出荷量 | 600kl |
|---|---|
| 県外向け出荷量 | 896kl |
| 合計出荷量前年比 | -1.3% |
地元大手、4か月ぶりに前年比増加
5月の公共工事請負金額は国、県、市町村等主要発注者の全てで増加したことから、前年比69.3%増の108億円と3か月連続の増加となった。
なお、今年度の県工事当初予算は、前年度からの繰り越し分を含めて758億円と、前年比18.2%の増加となっている。
当研究所調査による地元大手12社の新規受注実績も、前年比63.1%増の26億円と4か月ぶりに増加した。官公庁工事が、国道改良などの土木で大幅増になったことから4か月ぶりに増加したことに加え、民間工事も、県誘致企業の工場新築等が寄与し2か月連続で増加した。
企業倒産件数、小康状態続く
5月末の県内銀行の預金は、前月末比217億円減少したが、前年比では0.7%増加し、前年を上回る水準で推移している。貸出金は、前月末比115億円増加し、前年比でも1.6%の増加となり、9か月連続で前年を上回った。
5月の倒産件数(負債総額1千万円以上)は2件、負債総額は1億2,500万円となった。倒産件数は一桁台で推移しており、小康状態が続いている。負債総額は、前年同月に10億円を超える大型倒産が発生し負債額を押し上げていたことから、前年比では94.3%減と大幅に減少した。
着工戸数、8か月連続で前年比増加
5月の県内新設住宅着工戸数は、421戸(前年比88戸増、26.4%増)であった。主力である持家のほか貸家、分譲住宅、給与住宅の全てが前年を上回り、全体戸数は8か月連続で前年比増加となった。
利用関係別では、持家が344戸(前年比61戸増)、貸家が46戸(同18戸増)、分譲住宅が28戸(同8戸増)、給与住宅が3戸(同1戸増)となっている。
持家は4か月連続で前年を上回り、消費税増税前の駆け込み需要がみられる。貸家は秋田市で一般向け賃貸住宅の着工(38戸)が大幅に増加し、8か月連続で前年を上回った。
地域別では、県北と県南は持家と分譲住宅の着工が増加し、前年を上回った。県央は貸家の着工が増加したため、前年を上回った。
持ち直しの動き、やや弱まる
家電販売がやや低調に推移するなか、大型小売店販売が前年を下回ったほか、新車販売も前年を下回り、全体としては持ち直しの動きがやや弱まった。
4月の大型小売店販売額は、前年比1.2%減と2か月ぶりに前年実績を下回った。天候が不安定だったことや、前年に比べ日曜日が1日少なかったことなどが影響した。品目別では、飲食料品は物産展などが好調となり前年を上回ったものの、衣料品は春物が不振となり前年を下回った。
5月の新車販売台数は前年比7.1%減と2か月ぶりに前年を下回った。エコカー補助金終了の影響が続くなか、軽自動車は6月に新型車が発売となることから買い控えが生じ、再び前年割れとなった。
家電販売は、エアコン、洗濯機などは消費電力を抑えた製品への買い替えが進み堅調となったが、主力の薄型テレビが低迷し、全体としてはやや低調な推移となった。
新規求人数、40か月ぶりに前年比減少
5月の新規求人数は、前年比10.6%減の6,690人と、平成22年1月以来40か月ぶりに減少した。製造業は前年比6.0%増となったものの、非製造業が同12.1%減と落ち込んだ。産業別にみると、「電子部品・デバイス・電子回路」は円高修正による海外向け受注回復に伴い退職者等の補充が再開したことなどから増加した。一方、「宿泊,飲食サービス」は昨年のエリアなかいちの商業施設オープンや全国飲食店チェーンの出店などもあり飲食部門の求人が増加した反動で大きく落ち込んだほか、「医療,福祉」も昨年の福祉施設の開業等で求人が増加した反動などから減少した。
新規求職者数は前年比9.9%減の6,721人と、2か月ぶりに減少した。
有効求人倍率は一般が0.48倍、パートタイムが0.83倍。季節調整値は前月比0.01ポイント上昇し、0.70倍。都道府県別では、東京と愛知が1.30倍と最も高く、沖縄が最も低かった(0.52倍)。本県は全国平均(0.90倍)を下回り、全国順位も前月の40位から42位に後退した。
事業主都合離職者数は前年比24.3%減の362人となった。平成23年以降、大量解雇等の事案は沈静化しており、5月は引き続き前年を下回る結果となった。
地域別雇用状況をハローワーク管内別にみると、新規求人数は県北、県央、県南の全ての地域で減少した。有効求人倍率は県北が最も高く0.71倍、県央が0.58倍、県南が0.49倍となった。
秋田労働局がまとめた「平成24年度育児・介護休業法の施行状況」によると、同法に関する相談件数は前年度比40.3%増の1,322件であった。相談内容は、改正育児・介護休業法全面施行(24年7月1日施行)に合わせ、「育児休業」に関する相談が160件と最も多かった。また、育児休業の取得を理由に退職の強要などを行う「育児休業等に係る不利益取扱い」に関するものは32件(うち労働者から16件)だった。なお、「介護休業等に係る不利益取扱い」は1件のみとなっている。




