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経営随想

新生東北機械製作所に思うこと

工藤 良廣
(株式会社東北機械製作所 代表取締役社長)

 東北機械にお世話になってまもなく8年、色々なことが浮かんでは消えますが、社名の原点であります鉄の加工を業とする製作所を目指しての行動であったように思います。
 少し長居してしまいましたが、全てを後任に託すその時のために何かを残せたらいいねと思っているところです。

〔長期計画〕

 第2次7年計画を立ち上げて、夢を語り合える風土を皆で作り上げてもらいたい。なぜ7年なのかというと、先を見通せないほどの長い時間軸で目標を定め、それに向かってぶれることなく進んでいくためには10年先を見据えた7年計画とするのが妥当と思っているという程度で特別な意味はありません。時々にあらわれる現象や結果に惑わされることなく、目標に向かって常に前を見て論理を展開していくための道具としたいのであって、結果を云々するためのものではない。
 また、過去は変えられないが、過去を反面教師として将来に生かすことが出来れば未来は大きく変えられることをこの8年で多く学んだ。すなわち、長期計画は夢の実現のために前向きに行動し続けることにあり、成果主義や事業承継という呪縛に惑わされないための道標であれば良いということです。
 成功の確率を上げるためにも夢に向かって挑戦し続ける社風が必要と思い、将来の夢を語り合える仲間がいっぱいの東北機械製作所として秋田の地にしっかりと根をおろして生き続けてもらいたい。
 これが私の夢かな・・・。

〔夢の実現〕

 計画を進めていくなかで時代の要求・外部環境の変化に気付き、将来の課題も見えてきて、時間をかけてもチャンスをつかみとるという余裕も生まれる。
 想像力は必要だが焦りは禁物ということも実感できるようになるであろうし、そのチャンスをつかむためにどうしてもクリアしなければいけないことは財務の健全化であり、財布の中にお金が無くて何も出来なかった日々を思い出してもらいたい。
 第2次7年計画ではこのことが重要なテーマになるであろう。それが出来てはじめて夢を実現するための第1歩を踏み出せることになる。
 企業活動で得られたキャッシュフローを将来のために生かせるようになって、色々なことが経験として引き継がれていくのであって、教育によって全てを伝えられると勘違いしてはいけないことも実感できるのです。
 一方、顧客から得られる情報はより早く具体的で確実なものと思われるが、信頼関係を築けなければ情報の質は違ったものになってしまう。
 一面だけを見て結論を出さず、常々ほんとうかなと自分に問いかけ、夢と見比べる疑いの目を養うことも大切なことかもしれません。顧客の経験も情報として自社にとりこみ、種々想像し、夢と見比べることによって進むべき道も見えてくるもので、顧客情報は大いに利用すべきである。見えてきたら計画に修正を加え、あとは実行あるのみです。
 このような思考回路をみがきながら実務に励んでいくことが肝要であり、夢は絵に描いた餅に終わることも多いと思うが、それでも描き続けなければ決して食べられるものにすることが出来ません。第2次が終わったら第3次、第4次と永い挑戦の年月になりますが、今までのことを思えば楽しみながら全ての事象を経験として将来に引き継いでいく風土が根付くための道具として7年計画を残したい。
 結果の良し悪しを論ずるのではなく、高い目標を掲げた夢に挑戦し続けることに価値があり、日々の努力が報われるのです。その結果として個の成長があり、皆が更なる高みを目指して挑戦している姿を夢みながら筆を置かせていただきます。

(会 社 概 要)

1 会 社 名 株式会社東北機械製作所
2 代表者名 代表取締役社長 工藤 良廣
3 本社所在地 〒010-0065 秋田市茨島一丁目2番3号
4 電話番号 018-862-5541
5 FAX番号 018-862-5590
6 U R L https://www.tmw.co.jp/
7 創  業 昭和14年2月1日
8 資 本 金 5,500万円
9 従業員数 191人(平成26年7月1日現在)
10 事業部門 鉄構機械事業部(鋼構造物製造)
マテックス事業部(鋳鋼品製造)
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